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システム構築 ボードリーダー:小野 哲

毎月第2、第4木曜日はボードリーダーからのレポートを掲載いたします。
 
   

2003年6月26日
『最近気になる電力事情』

前回に引き続き電力問題。今年の夏の電力不足でもし停電が起こったらどうやっ て自社のサーバなどを守るかです。

お金さえかければ完全自立型の電力設備を独自に構築してしまえばよいとは思い ますが、よほど危機管理やコスト管理がしっかりしている企業ではないと自立型 電力システム=コジェネにお金をかける企業はあまりないとは思います。企業の コジェネではマイクロガスタービンがいまのところ本命とは思います。現在のと ころ初期費用が 1Kw あたり 10 万円ぐらいで、将来は 5 万円を切るだろうとも 言われておりますが、設置場所の確保や工事費などを含めると、まだまだ安くは ないと言えるでしょう。また、マイクロガスタービンを導入する場合、ボイラー 技師の資格をもっている人を常駐させなければならないという規制もありそれが 普及のさまたげにもなっています。

もし、今年の夏の不安だけを乗り越えるだけなら前回紹介した電子機器対応発電 機がコスト的に導入は可能だと思われます。出力 1.5KVA で 20 万円前後なので、 ある一時期( 7、8 月)だけレンタルするという方法でいけばかなりコストを抑 えることが可能であると思います(おそらく 2000 円/日程度のコスト)。設置 場所などは窓のテラスなどでも OK で持ち運びが可能な重量なので扱いは楽です。 1.5KVA ぐらいあればサーバ 3 台〜 5 台ぐらいは問題なく運用でき、連続運転 8 時間ぐらい可能ですので長時間の停電に対応できるわけです。

しかし、この夏、国をあげての節電対策や各企業の自立努力ででこの危機を乗り 越えたとしても、今後の電力を真面目に検討する方も多くなってきたと思います。 この機会に電力会社から独立し、しかも地球環境にもよい自立系あるいは半自立 系の電力システムを考えてみるのも夢がある話です。

次世代エネルギーとして現在有力視されている技術は、自然エネルギーとしては 太陽光発電や風力発電などです。自然エネルギーを使用した場合環境に対して非 常によいのですが、一定の電力を供給しつづけることはできません。そこで最も 注目されているのが燃料電池。無公害でありながら一定の電力を供給することが でき、低コストでコジェネができるということです。まだ実証実験レベルで実用 化はされていないようですが、かなり近い将来実用化され、企業や家庭に入って いくといわれています。

最近 TV で太陽光発電の家がさかんに PR されていますが、あの仕組みは昼間太 陽光発電によってあまった電力を電力会社に「売る」ことでコストを削減でき、 さらに深夜電力をうまく利用することで全体のコストをさらに削減するというも のです。これは半自立システムです。連系ともいわれています。しかし、やはり 電力会社から電気を買うことは行われるわけです。そこで、その部分を燃料電池 でまかなえば完全に電力会社から独立した仕組みを構築できるようになります。 近い将来こういった完全独立型電力システムは当たり前のようになると私は思っ ています。

ところで、電力の供給システム側以外で重要なこととして、サーバなどの機器の 電力消費を抑える技術と電力の蓄積技術などもこれから期待される技術です。低 消費電力の CPU の開発はモバイル環境の発達によりますます競争が激化してよ いものが開発されています。この技術をモバイルパソコンではなく常時稼動しつ づけるサーバ機にも応用することで面白いソリューションが展開できるはずです。 そのさい電力に蓄積技術も必要になりますが、これも近い将来スーパーキャパシ タの実用化により高性能なバッテリーが登場するはずです。そうすると、常時稼 動の必要なサーバ類を太陽光発電と風力発電で完全自立させるとい仕組みも決し て非現実なものではなくなります。ちなみにノートパソコンをサーバにした太陽 光発電による完全独立系システムはいろいろな人が趣味で実験しており、すでに 実用の段階にあるともいえるでしょう。

こう考えると、エネルギーとエコロジーとコストと安全性というキーワードは相 関関係にあることがわかります。もしかすると近年のすべての技術はこのキーワ ードの関係に集約されているのかもしれません。


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