

システム構築
ボードリーダー:小野 哲
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| 毎月第2、第4木曜日はボードリーダーからのレポートを掲載いたします。 |
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2004年2月12日
『SQLとデータ解析 => 金融ツール』
インターネットを使ってオンラインで株の取引ができる証券会社を一般的にネット証券という。最近、ネット証券の利用者が急増しているらしい。証券会社の専属の営業マンに電話をして「売りだ、買いだ」というアクションがマウスのクリックに代わったというわけです。ネット証券の場合売買の手数料が安いので好まれるのは当然だし、自宅のパソコンや職場での昼休みなどに手軽に株式の売買ができるのはとても大きなメリットであるといえます。
銀行の利子がほとんど無いといってよい今。そして年金不安がますます募る今。自己責任というリスクはあるものの、自分の資産を多くするのは株式投資がもっとも効率がよいと判断した人たちが市場に参加してきているのでしょう。それは当然といえば当然の流れなのかもしれません。
個人投資家は自分なりに勉強して膨大な株の銘柄の中からいくつかの投資先の銘柄を選びだします。投資の世界はあくまでも自己責任の世界なので自分が投資した銘柄がはずれだったりして損を重ねることもよくある話です。ネットでの取引の場合は営業マンなどは仲介しないので、もはやだれのせいにもできないというわけです。
そこで様々な本を読みあさり、多くのノウハウを学び、失敗しながら経験を高めていくのですがその間に様々なツールを使って条件を設定し、自分にあった銘柄を検索することを繰り返すわけです。この作業をスクリーニングといいます。とりもなおさず、この銘柄選択が成功の鍵になるわけですが、この作業を助けるツールはたくさんあります。インターネットで検索できるサイトや、過去数年分のデータをインターネットからダウンロードしてそれをエクセルなどの計算ツールに取り込んでシミュレーションを行うものや、専用のプログラムとして売られているものもあります。
ところが、それらのツールでは様々な条件で過去のデータを検証し、条件にあった銘柄を検索してくれますが、オリジナルな条件の設定や時系列の比較などができないものも多く、上級者にとっては柔軟性がいまひとつ欠けているという問題
があります。
こんなとき、プログラムを作成したりDBを自由に操れる我々エンジニアは非常に得をします。専用のプログラムを組むまでもなく、株式データをインターネットからダウンロードしてそれをDBに落としこみさえすればよい。普段から慣れ親しんでいるSQLを検索・解析ツールにすればよいのです。最初は苦労するかもしれませんが、様々な数学演算をファンクションと登録しておけば、それ自体が条
件式として機能するわけだし、多少複雑なロジックもストアードプロシージャ化すればすっきりします。SQLの機能をうまく使えば多角的な分析と条件設定が可能になります。SQLは検索用として多用されますが、このように解析と抽出を行うタイプのアプリケーションに使用すると意外にも活躍するものです。
たとえば次のような条件があってもちょっとSQLをかじった人間なら過去のデータがそろっていれば比較的簡単にロジックを実装できるはずです。
「現在の株価が○日移動平均の-15%を乖離し、RSIが25%以下、ボリュームレシオが40%以下、今日以前の出来高の平均の2倍以上の出来高で、直近の高値を20%以下切り下げており、一株純資産と10%以下の乖離率である銘柄を検索せよ」
株の世界を少しかじった人ならこれを通常のツールでスクリーニングするには時系列的要素が含まれているので表現するのはなかな難しいと感じるかもしれません。しかし、SQLを使えばDB系エンジニア一年生でも書けるレベルです。さらにいえば、SQLのこういった利便性を拡大して考えてゆくと、株のスクリーニングだけでなく、デリバティブ取引などの高度な知識を必要とするものにも応用できるかもしれません。それこそ金融工学の方程式の中で最も美しいとされるオプション価格の決定式であるブラック・ショールズ式もファンクションとして登録して再利用することは簡単なことです。コールやプットの売り買いの合成オプション(ストラドルやストラングル)をSQLの論理演算で作り出すことも可能であるに違いありません。見事にリスクヘッジされたオプション取引のための戦略をたてることが可能というわけです。
このように、金融の解析の世界で、SQLを使用するメリットは検索の柔軟さにあるというのが理解できます。そう考えるとSQLはまだまだ現役活躍するデータベース言語であることがわかります。プログラムやSQLを書けるということはなんて幸せなことなのだろう。と、みなさんは思いませんか?きちんとしたプログラムやDBのスキルがあれば、いついかなるときに今流行の個人投資家になっても「技術的」には困らないということは言えます(投資の才能があるかどうかは別の話)。そう考えるとプログラマやSEとは素晴らしい仕事であると改めてそう思う最近です。
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