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「資格を取ろう!」掲示板 ボードリーダー:配島 浩

毎月第2、第4木曜日はボードリーダーからのレポートを掲載いたします。
 
   

2003年4月10日

『仕様書、テストと資格』


去る 2/20・21 に開催された Developers Summit 2003 に参加してきました。 データベース、スキルアップ、UML /開発プロセス、.NET など、大変勉強にな ったのですが、中でもウルシステムズ 漆原氏のセッション B-2-5「最近の泥 臭い Java 事例」はとても印象的でためになりました。

私自身は企業内の情報システム社員として、子会社化やアウトソーシングなど、 その存在価値が問われている現在、もっと勉強しなければと反省している一方、 (こんなことを書くと大多数のきちんと仕事をしているエンジニアの方々にお 叱りを受けるかもしれませんが)「 IT 業界のエンジニアといってもピンキリ だなあ」と考えさせられることがあります。
というのも、仕様書一つとっても、仕様書に対する捉え方、質、量も IT ベン ダーによってバラバラなことです。

最近、本当に困ったのが、ある程度大きい作り込みのシステムにおいて IT ベ ンダー側からの「仕様書」が全くなく、こちらから事細かに説明してもキチン とした仕様書を書けない、また、テストを全く行った様子がなく、基本機能す ら満足に動作しない状態で納品するエンジニアが未だ存在するということです。

この辺りは、要件定義、仕様書、テスト等の重要性を認識し、さらに新しい 開発手法を取り入れ、成功している IT ベンダーと「顧客と接するのが嫌い」 「ドキュメントを書くのが嫌い」「コーディングは好きだけどテストは嫌い」 といった IT ベンダーの極化が進んでいるのかも知れません。
この辺はスキルというより、今までの経験によって培われたセンスなのかも…。

前述した B-2-5 のセッションにおいても「ドキュメントが下手」「要件定義」 「テストと品質」という題でその重要性が講演されていましたが、仕様書が全 くないということは、当然、要件定義書もなく、顧客の要求をどのようにシス テム化するかを、ユーザとどのように擦り合わせてきたのか?とても不思議に なります。

また、テストを軽視しているのか、基本機能を満足しないということは、 例外処理は全く考えていないのは言うまでもなく、システムはバグだらけで、 システムが稼動している状態で、結果的にバグをユーザ側で検証することにな り、多大な労力を費やしていました。

新技術が偏重され、情報が氾濫している現在、改めて、開発手法、仕様書、テ ストなどのシステムの基本となる考え方をベースに持ってもらう意味で、体系 化された国家情報処理資格は重要ではないかと思いました。
B-2-5「モデリングの追求」で触れられていましたが、アカデミックすぎて実 務とかけ離れても問題ではありますが…。

実際に国家情報処理資格では、ウォータフォールモデル等の古典的開発手法の が説明が中心で( ? )、最新の開発手法( XP,等)まで取り入れられていないか も知れませんが、基本的な開発手順と仕様書(要件定義、基本設計、外部設計、 内部設計、プログラム設計、等)やテスト(単体、モジュール、結合、システ ム、運用テスト、等)についても記述されています。実際に、ユーザとして仕 様書はシステムの肝やコンセプトを理解する上で、非常に役立ちます。 仕様書がなければ、例えソースコードがあっても、システムのブラッシュアッ プの履歴もわからず、また、ミクロなレベルから調査するので全体像を把握す るのに非常に時間が掛かります。
勿論、局所的にはソースコードを解析する必要はあるかもしれませんが…。
テストは更に重要で、ユーザ側では運用テストが精一杯なので、例外処理は運 用開始から暫らくたって発見されるのが多いのが現状です。この時、発見や対 応が遅れるとデータの信頼性は損なわれてしまいます。

Developers Summit の初日には、有識者の方とお話するチャンスがあり、「ベ ンダー側だけでなくユーザ側のシステムに対するレベルの低さを認識すべきだ」 と言うお叱りもあり、これはユーザ側の責任でもあるのですが、やはり、IT を専門として仕事を受けるベンダー側には企業内の SE 以上の専門性や能力を 期待するのは間違いでしょうか?

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