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<PASSJ会員レポート> 
PASSJ Conference 2004に参加して


村馬淳子

日々、さまざまなRDBMSが進歩していく中、RDBMS間の差異はその拡張機能のみならず、データベースの本来の機能を発揮するための「安定性」や「安全性」そして「可用性」に集約されつつあると感じていたので、次期SQL Serverの変化には非常に興味がありました。カンファレンスへは大きな期待を寄せて参加させていただきました。

今回のカンファレンスではSQL Server “Yukon”がどのようにそれらを実現していくのか、セッション全体を通して語られていました。OSがWindowsならばSQL Serverはさらに親和性、信頼性ともに高いものとして開発されつつあることがこのカンファレンスのテーマでした。


【会場】

会場である東京カンファレンスセンター・品川は品川駅から近いので、当日、セッション後に仕事があった私でも気軽に参加できたこと、また品川という場所の利便性を考えると会場の選択もとてもポイントが高かったのではないでしょうか。


【Keynote】
10:45〜12:15
講師:Kamal Hathi氏

SQL Server “Yukon”の全体像について。次期SQL Serverの目指すデータベース像が、細かな情報の収集にあること、Security、Availability、Serviceabilityの三つを核に開発されていることが繰り返し語られました。データベースの運用には1秒のダウンタイムも許されないといった観点から解説されているときの「High Availability」というキーワードが印象的でした。

プログラマビリティの強化としては、.NETと融合したWorkBenchについて言及。次期バージョンVS.NET、Whidbeyとの融合がどのように実現されているかの一例としてインテリセンス機能があげられていて、Microsoftらしいなあ、と思わず慨嘆しました。SQL Server一年生としては、SQL ServerのUIが変化することへの不安と新しい環境への期待の両方を大きく感じるところです。

XMLのネイティブサポートも大きなトピックです。XMLで取得するデータの特徴が、速度ではなく多様な表現であること、それを活用するための機能の実装がT-SQLとXQueryのクロスドメインクエリである点など、興味をそそられると共に、使用する側のブラッシュアップの必要性をひしひしと感じました。

ビギナートラック
【Accessからのステップアップ】
講師:堀川 明氏

Accessユーザーとして常日頃から、SQL Serverへの移行を視野に入れてデータベース設計をしなければならない時期に来ていると感じているだけに、このセッションへはかなりの期待と共に参加しました。
堀川氏の熱のこもった物理設計のお話には、圧倒されっぱなし。「Accessから〜」という表題を超えて、SQL Server初心者には有益なセッションであったと感じます。データベースの中でも障害復旧は大きなテーマですが、特にトランザクションログファイルとデータファイルの扱いについては、机上の知識だけではなかなか実務上の適用が難しいものです。これを、デモや身振りを交えた講演の中で判りやすく説明していただき、大変参考になりました。

さらに、デフォルトファイルグループを変更する事により障害に強いデータベースを構築するテクニックに触れることもでき、個人的な勉強不足を反省すると共に、惜しみなくご自身の成果物を分けてくださる姿勢に心を打たれたセッションでもありました。

ビギナートラック
【Follow Up ADO.NET】
15:05〜16:25
講師:小川 貢氏

ADOとADO.NETとの大きな違いとしてデータベースとの接続関係があげられていました。.NETは食わず嫌いで通してきたため、アーキテクチャの違いを知っただけでも参加した意義がありました。
このセッションを通して、ADO.NETのアーキテクチャがどちらかというとWEBデータベース向けに作成されていること、そしてSQL ServerがWEBデータベースとしての機能強化を目指している事をひしひしと感じました。

ADO.NETで排他制御もどきを行う方法として、デモでひとつの解決法が示されていましたが、複数のユーザーが同時に読み取りだけのアクセスをしたい場合、また細かいロック制御を必要とする場合、どうするのだろう、と考え込んでしまいました。開発環境を導入して検証する必要性を感じます。
ただし、この部分に関してはSQL Server “Yukon”セッションで紹介されたSnapShot Isolationが解決の手がかりとなりそうです。また、次期ADO.NETがどのような形で機能強化をするか、より楽しみになりました。

Yukonトラック
【SQL Server "Yukon" におけるプログラミング新潮流】
講師:Don Vilen氏

SQL Server “Yukon”を用いたアプリケーション開発がどのような位置づけとなっているかはKeynoteで触れていた通りですが、このセッションの中では身振り手振りを交えた熱意あふれる講演により、詳細がわかりやすく語られました。

T-SQLの拡張として再帰クエリの作成を実例とともに紹介いただいたのが印象的でした。さらにT-SQLの日本語サポートの問題についても言及がありました。SQL Server “Yukon”がWEBサーバー、データベースサーバー、開発環境共に統合して持つときに、日本語の文字化け対策がサポートされているのはとてもうれしい事です。

SnapShot Isolationについてもここで詳述されました。
DTSの機能については新しいものとして捉えるほうがよい、とのアドバイス。デモはかなり実際的で、興味深いものでした。

時間内にたくさんのことを伝えたい、という熱意が伝わってきて、同時通訳レシーバーを途中から半分ずらして聞いていました。通訳の方、本当にお疲れ様でした。

【まとめ】

KeynoteやYukon-03のセッションと重複する部分ですが、SQL Server “Yukon”を用いてプログラムするにあたって.NETとXMLのアーキテクチャを知ることを避けては通れなくなったようです。SQL Server “Yukon”の開発ポリシー「誰でも使える」という観点に照らして考えると、努力を怠らなければ、まったくついていけない代物ではないと思います。

SQL Server“Yukon”Beta1もインストールしてみましたが、WorkBenchからの操作はある程度慣れることで、敷居の高さを解決できるように思います。

仕事の都合で最後の懇親会に参加する事はできませんでしたが、隣席の方がReporting Servicesを導入されていて、実例を聞く事ができ、大変ラッキーでした。セミナーやカンファレンスならではの出来事でした。

SQL Server “Yukon”がどれほど興味をかきたてられる仕様になっているか、SQL Server“Yukon”Beta1で是非更なる検証をしたいと考えています、たくさんの有益な情報は今後の糧といたします。講師を務めてくださった方、スタッフの皆さんに心から感謝いたします。

PASSJ Conference 2004 の ページ
「PASSJ Conference 2004とSQL Server“Yukon”Beta1の報告」(大島 敬之)
「PASSJ Conference 2004レポート」(山本 祐基子)

 


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