先日参加しました「PASSJ BIセミナー 」の内容をレポートいたします。
会場は前回から渋谷ルネッサンスセンターとなり、より大勢の方が参加できるようになったようです。さらに今回は各席に机が用意されておりました。前回参加時に必要を感じていただけに、快適に講義に集中することができました。このようにPASSJ事務局の方々の細かい配慮がみられ、無料とはいえ回を重ねるごとに質の高いセミナーになっていることを実感しました。
さて、セミナーの内容は「データマイニング事始め」と「実践ビジネスインテリジェンス」の2部構成でした。印象としては、第1部はデータマイニングにおける概念・理論編で、第2部が実際にSQL
Server 2000のAnalysis Serviceを用いての実践・ノウハウ編といった、ちょうどBIに必要な2つの側面がセットになったようなセミナーでした。
●「データマイニング事始め」
講師:奥山 真一郎氏
「そこをなんとか!」に応えるために
タイトルのとおり、具体的にSQL Serverを用いた構築方法といった内容ではなく、それ以前に身につけておくべきであろう、「そもそもデータマイニングとは」という基本概念からデータ分析にあたっての考え方・手法などを解説していただきました。
まず「交互作用」という言葉を用い、データマイニングとはデータベース内の複数の項目の組み合わせによる(有益な)効果・法則を抽出する技術であるということを確認しました。
次に、データマイニングといった1つの手法があるわけではなく、一連のプロセスであるということを説明し、そのプロセスの各ステップについて解説していただきました。中でも、大量集計によって発想・思考を中断させないために、適切な「サンプリング」を行い、それを何度も繰り返してマイニングしていくことが重要だと指摘されました。
後半にはデータマイニングの主な手法・技術として「ディシジョンツリー」や「シークエンシャルパターン」などを解説し、それらを適用してデータマイニングに取り組んだ企業の事例紹介もしていただきました。時間がなく駆け足になってしまったのが残念ですが失敗例も紹介していただけたのは貴重でした。
まとめとして、データマイニングの世界ではほとんどの場合、もともと分析用に設計されていないためにコントロールが難しい業務系DB(「履歴データ」)が対象になります。しかし「そこをなんとか!」がビジネスの世界。そこからいかに最大限の情報引き出し、仮説を導出するかがデータマイニングの真髄だということでした。そのためには、既存のデータにすべての情報があるとは限らないので、蓄えるべきデータを明確化し、社内データを総点検する必要があること。さらには、コントロールの難しいデータから情報を導き出す考え方ではなく、「情報を得るためのデータ収集」を心がけるべきであると説明していただきました。
●「実践ビジネスインテリジェンス」
講師:PASS技術顧問 株式会社システムインテグレータ 梅田 弘之氏
「食わず嫌い」にならないために
企業の情報戦略に欠かせないと言われつつも、まだまだ「遠い存在」と認識されている感のあるBI。しかし実は手の届かないものではないのだという基本テーマのもと、BIのシステム構成から、実際にSQL
Server 2000のAnalysis Serviceを用いて構築していくにあたってのノウハウまでを説明していただきました。
まずはこれまで「食わず嫌い」であった主な原因を指摘し、「1.かなり費用がかかるのでは?」「2.基幹業務システムが先決?」「3.外部に委託しなければムリ?」「4.業務システムと同じベンダー製品にすべき?」といった誤解を次々と解いていただきました。
特に4つめの、汎用機やAS/400、Oracleなどの既存システムに対してもSQL Server 2000のAnalysis
ServiceでBIが構築できるという点が強調されていました。梅田氏の会社でBIの構築を受ける場合でも、Analysis Serviceでの導入を強くお勧めしているそうです。Analysis
Serviceを選択する理由としては、ODBCやOLEDBによる異種データベースへの接続部分はMS製品の得意分野であること、ウィザード機能などにより各種設定が分かりやすいこと、費用が安く済むこと、また、クライアントツールがなじみあるMS
Excelで済むことなどを上げられていました。
次にBIのソリューション構成として「基幹システム」「データ変換サービス」「データウェアハウス」「データマート」「多次元データベース」「OLAPツール」を挙げ、その一つ一つについて説明していただきました。特に、SQL
Server 2000の「データ変換サービス」は優秀なツールとなっており、様々なデータソースにアクセスし、必要な形でデータを取り出せるということの利便性を強調されていました。
後半には実践的なノウハウとして、梅田氏の会社で開発された事例をもとにキューブ作成時間を短縮するためのいくつかのポイントを解説していただきました。パフォーマンスに関する部分というものは経験を積まないとなかなか修得できないものでもあるため、大変参考になりました。
デモとして、Oracleの業務システムに対し、Analysis ServiceでBIを構築する手順を実演していただける予定でしたが、プロジェクタとの相性で実現しなかったのは、楽しみにしていただけに非常に残念でした。しかし、その分テキストに沿った内容を膨らみを持たせて解説してくださったので、内容としては十分に分かりやすく満足できるものでした。
第1部・第2部を通しての感想ですが、私としては待ち望んでいた内容のセミナーだっただけに、大変期待して参加しましたが、その期待に十分応えるものだったと思います。個人的には第1部では、一人一人のデータ分析力をつけることがそのまま企業の力になるとおしゃっていた点、第2部ではBI構築はプログラミング作業ではなく設定作業なので、知ってしまえば簡単なのだという点が印象に残りました。日常的には、いかにしてSQL
Serverを使うかという技術的な側面と、抽出されたデータから何を読むかというデータ分析力の側面のどちらかに視点が偏りがちですが、今回のセミナーはその両方の視点がBIには不可欠なものだということを改めて確認させてくれました。
最後に、講師の奥山氏、梅田氏ならびに、セミナー関係者の方々にお礼を申し上げます。
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